Adobeが先日発表した、AIで瞬時に画像生成ができるAdobe Firefly(ファイアーフライ)。現在はリクエスト申請をして申し込みが通った人から、順次ベータ版の利用ができるようになります。
僕も先日リクエストが通ったため、実際に使用してみてどのようなことができるのか?そして申請して登録する方法と承認までにかかった時間などを実際に見ていきましょう!
AIによる画像の自動生成とは?
現在、最もメジャーな画像生成AIツールと言えばMidjourneyでしょう。プロンプトと呼ばれる説明文を入力する事で、テキストから画像を自動で制作してくれて、無料でも25枚まで作れます。
それ以上の画像生成をしたい場合は有料プランに切り替える必要があり、作り直しなどをしているとすぐに25枚に到達してしまうので、しっかり使うには有料プランが必須になってきます。
iPhoneやAndroidアプリのAIピカソなんてツールも手軽にAIによる画像生成を試す事ができます。
ですがMidjourneyなど画像生成AIツールの多くが、どのようなデータを学習したり訓練しているのかの詳細が明かされていないので、著作権もグレーなのが現状です。AIが学習に利用している画像に著作権が含まれている可能性があるということですので、生成された画像の著作権もグレーなんですよね。
Adobe Fireflyとは?
AdobeのFireflyもこれらのツールと同じく、プロンプトを入力するだけでテキストからAIで画像を制作してくれるツールですが、Adobeの持つ数億を超えるAdobe Stockライブラリの中から、オープンライセンスのコンテンツ、著作権の期限が切れているパブリックドメインコンテンツを利用して、AIに学習させているということなので、著作権やIP(知的財産)トラブルをできるだけ解決しているのが大きな特徴です。
つまり商用利用を前提とした画像が生成されるということですね。
そして現在の利用料金は無料です。
早速ですが、Adobe Firefly(ファイアーフライ)にアクセスしてみましょう!
こちらがAdobe Firefly(ファイアーフライ)のTOPページです。
なお、利用するにはAdobeのIDが必要になりますので、持っていない方は先にAdobeのIDを作っておいた方が良いかも。
Adobe Fireflyで現在利用できる機能は、入力した文字から画像を生成する「Text to Image」と、テキストに効果をつける「Text effects」の2つだけです。
他の機能にはcoming soonと表示されてます。
動画での紹介があり、まだ導入されていない機能も紹介されていますが、今後のアップデートに非常に期待が高まりますね。
Adobe Firefly(ファイアーフライ)の登録方法
利用登録するための申請が必要ですので、「Text to Image」も「Text effects」も、クリックしてもまだ先ほどと同じ紹介動画が表示されるだけでしょう。
ですので右上のRequest accessをクリックしましょう。
すると入力フォームがズラズラっと並んだ画面が表示されますので、表示されている手順に従って、名前やAdobeに登録しているメールアドレス、ご自身の活動について入力していって下さい。
全てを入力して回答を送信すると送信完了の画面が表示されて、登録したメールアドレスに下の画像のようなメールが届きます。
Firefly にご関心をお寄せいただきありがとうございます。Adobe Firefly ベータ プログラム への申し込みを受け取りましたので、ご安心ください。アクセスできるように取り組んでいます。 Firefly ベータ版への参加について、多くの関心を集めています。ユーザーは段階的に承認されており、承認された場合はメールで通知されます。できる限り迅速に作業を進めていますが、ほとんどの申し込みは少なくとも来週まで受け付けられないことをご了承ください。 ベータ版にアクセスするには、有効なAdobe ID で申請する必要があります。Adobe IDが必要な場合は、次の手順に従って作成できます。
と書いてあり、AdobeのIDをまだ持っていない場合は下の方の登録ページへのリンクから登録できるようになっています。
他にはDiscordとAdobeのコミュニティフォーラムへのリンクもあり、意見交換を活発にできるよう促されています。
Adobe Fireflyの使い方。
僕の場合は申請から4日後にAdobe Fireflyから承認のメールが来ました!
Discordには日本語のスレッドも立てられていて、このスレッドを見ると承認までの期間は人それぞれのようで、1ヶ月ほどかかったという人もいるみたいです。
僕の場合はかなり早かったようで、果たして申請時の入力内容が関係しているのか?Adobe製品の利用履歴が関係しているのか?そこは全くわかりませんが、Adobe Fireflyはいつから使えるのか?というのは一概には言えないようです。
一般的には1ヶ月弱という方が多いようなので、ここは気長に待つしかありませんね。
こちらが承認された時のメールです。
You’re in!とエフェクトが適用された大きな文字の後に、
Adobe Firefly についてのご意見をお待ちしております。以下は、ベータ版の使用を開始し、当社のチームと連携するのに役立つリソースのリストです。Adobe Firefly https://fireflyを確認してください。
と書かれていて、今回もDiscordとフォーラムへのリンクが下部にありました。
使ってみよう!Adobe Fireflyにアクセス!
申請が承認されたところで、改めてAdobe Fireflyのトップページにアクセスしましょう!初めてアクセスしたときには紹介がポップアップで表示されましたが、英語なのでよくわかりません。
次に承認前と同じ画面が表示されますが、果たして本当に使えるのか?例として表示されている画像のプロンプトを一つ試してみました。
表示されている画像の中から1つ適当なプロンプトを試すをクリックすると、
利用規約や注意点などの確認事項が表示された後に
出来ました!AIで生成された画像です!この画像の場合のプロンプトは、
1920’s angular woman in green dress cubist dark cinematic portrait geometric art deco painting
日本語に翻訳すると、「1920年代の緑色のドレスを着た角張った女性キュビズムの暗い映画のような肖像画の幾何学的なアールデコの絵画」。使い方は簡単でプロンプトを入力するだけですが、AIによりイメージに近い画像を製作してもらうためには、ちょっと文章力やボキャブラリが必要そうなので、今後のクリエイティブに必要なスキルに変化がありそうな予感がします。
AdobeのAIの画像生成のすごいところは、様々なエフェクトも右側のパネルから選んで簡単に適用させられるところ。
- アスペクト比
- コンテンツ タイプ
- スタイル
- 色とトーン
といった項目が用意されていて、アスペクト比では風景 (4:3)、縦長 (3:4)、正方形 (1:1)、ワイドスクリーン (16:9)から選択して瞬時に変更可能。コンテンツタイプでは写真やグラフィック、アートの項目からタイプの変更、スタイルを変更するとかなりイメージを変更できるほか、ライティングやレンズの変更も可能です。
日本語で利用は可能?
プロンプトの入力フィードには「生成したい画像を説明してください(英語のみ)」と書かれていますが、試しに日本語で入力してみました。
「湖に映る富士山」と入力してみたところ、「プロンプトが短すぎます」と警告文っぽいものが表示されたものの、クルクルと生成中の表示がされ、完成したのがこちら!
すごいっす!それからエフェクトを適用させてみたり、画像のサイズの変更も一発です。16:9のアスペクト比に変更したり、
画像のタイプをグラフィックから写真に変更したり
こんなこともクリック一つで可能です。全ての日本語が利用可能かどうかはわかりませんが、英語に翻訳するのが難しくなく、イメージがわかりやすい日本語なら利用できそうです。
テキストのスタイルを1発変更!「Text Effects」
Adobe Fireflyで現状、もう一つ使える機能が、文字テキストに効果をつける「Text Effects」です。
入力したプロンプトで、AIで文字テキストにスタイルやテクスチャを適用することができます。
こちらも使い方を見てみましょう!面白そうなので作例にある「孔雀の羽というプロンプト」を試してみました。
テキスト効果は中くらい、フォントはサンヴィートで背景色をグレーっぽく変更すると
すでにおしゃれですね。Photoshopで作ろうと思ったら結構な時間がかかりそうですが、ほんの数秒でできちゃいました。もちろんテキストは変更可能で、日本語でも生成自体は可能ですがフォントが対応してないのでちょっと厳しいですね…
この機能にもエフェクトやカラーのオプション機能がいくつかあり、お好みで調整可能です。フォントを変更することも可能ですが、現時点で利用できるフォントはちょっと少ないですね。将来的にはAdobe Fontsでも利用できるようになるでしょう。
まとめ
Fireflyの大きなポイントとして、商用利用を前提としている。という点が挙げられます。
Adobe Stockにおいて権利が明確になっているもの、パブリックドメインのコンテンツを学習に利用しているので、著作権などの権利をや知的権利を侵害するような画像は生成されない仕組みになっているので、仕事にも利用可能なAI画像生成ツールなんですね。
補足として、生成された画像にはAIで生成された画像という情報が加えられ、ダウンロードした画像の左下にクレジットのようなものが表示されています。
そしてこの画像をPhotoshopなどで編集した場合でもこのデータは残り、どのような画像から制作したのかを遡って調べられるという仕組み。
こういった画像やテキストをゼロから制作するには、時間もスキルも必要です。細かい要望が必要な画像を作るにはまだまだ難しいかと思いますが、デザインのアイデアや、様々なクリエイティブのヒントを得るために利用するという使い方もあるでしょう。今後はPhotoshopやIllustratorなど、Adobe Creative Cloudとの統合も予定されています。
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